「俺は綾乃しか見えないし、綾乃だけがほしいと思ってる」 「う、うん?」 「好きだよ」 「ぅ……ごほっ」 あまりにもサラッとそんなことを口にする千景くんに、パンケーキをむせてしまった。 「大丈夫? 水飲んで」 「ぅ……っ」 大慌てで、差し出されたグラスの水を口に含んでゴクンと飲み込む。 ふぅ、少し落ち着いた。 『好き』って……。 友達として、人として、幼なじみとして、そういう意味だよね?