すぐに飲み物がきて、口をつける。
生のパイナップルを絞ったジュースはフルーツの果肉まで入っていてとても美味しい。
10分ぐらいしてさくらんぼのパンケーキとパフェがやってきた。
「ん〜、最高っ……!」
さくらんぼの酸味と生クリームの甘さが口の中に広がる。
あー……幸せだな。
美味しいものって、どうしてこうも幸せな気持ちにさせてくれるんだろう。
パクパク頬張っていると、視線を感じてふと顔を上げた。
なんの面白味もないわたしの食べる姿を、千景くんがニコニコ顔でじっと見ていた。
「美味しい?」
「うん、とっても!」
「目キラキラさせすぎ」
「だ、だって、幸せで! わたし、甘いもの大好きだから」
「かわいーな、綾乃は」
ほら、もう、また。
息をするかのような感覚で自然と紡がれた言葉に、わたしの心臓がキュンと音を立てる。



