「ま、今はまだいーけどね。決まった?」
「ええっと、うん。あ、でも待って……さくらんぼのパンケーキも美味しそう……! でもさくらんぼのパフェも捨てがたいなぁ」
「じゃあ俺がパフェ頼むよ。べつにこだわりはないからさ」
「えっ……いいの?」
そう言ってくれるのはとてもありがたいけれど、食べたいものを我慢させちゃってるんだとしたら申し訳ない。
「俺は綾乃の喜ぶ顔が見れたらそれで十分だよ。飲み物はどうする?」
「えっと、じゃあ、フレッシュパイナップルジュースで」
「そこはさくらんぼじゃないんだ?」
「そこまでいくとさすがにやりすぎかなって」
ははっと爽やかに笑って、千景くんは近くにいた店員さんにさり気なくわたしの分まで注文を済ませてくれた。



