どこかに視線をやりながら、意味深な発言をする千景くんに反省の色は一切ない。
「な、なに言ってんの……ほんと信じられない」
「綾乃は俺だけに愛されてたらいーの」
「うっ……」
夏休み中、千景くんは相変わらず毎日のように忙しくて。
だけどその忙しい合間をぬって、わたしとの時間を作ってくれた。
そのたびに甘い言葉やキスでわたしを惑わせて、赤くなったわたしの顔を見て満足そうに笑ってばかり。
やっぱり慣れてるよね、千景くんは。
今まで好きな人や彼女はいなかったのかな。
その子にもストレートすぎる愛情表現をしてたんだとしたら、ものすごく嫉妬してしまう……。
過去にまで嫉妬しちゃうなんて……。



