──チュッ 唇に温かいキスが降ってきた。 「ななな、なにすんの!」 「だめだった? 綾乃が落ち込んでるように見えたから」 「ひ、人前でなんて……恥ずかしすぎるよっ」 わたしはとうとう顔を上げられなくなった。 周囲からは次々と叫び声が上がって、バタンと倒れる人の姿まで。 気のせいかもしれないけど、男の人の低い叫び声のようなものも混じっているような……。 「いいじゃん。これで綾乃は俺のだって知らしめられたし?」