「お誕生日おめでとう、千景くん」 遅くなっちゃったけど、直接言葉で伝えたい。 恥ずかしくてこんなこと誰にも言ったことないけど。 「生まれてきてくれて、ありがとう」 そっと見上げた千景くんの顔。 目が合うと2人で一緒にはにかんで、どちらからともなく手を握った。 触れるたびに、そこだけ熱を帯びて熱くなる。 「ずっと俺のそばにいてね」 コクンと小さく頷いてじっと見つめていると、千景くんの顔がみるみるうちに赤くなった。 「照れる……」 そう言ってそっぽを向く千景くんに、胸がキュンと高鳴る。