大丈夫だよ、まるでそう言っているかのような抱きしめ方。


視界の端に映るブロンドの髪、白いタキシード……。


千景、くん……?

ま、まさか。


その人は片腕でわたしを、もう片方の腕で男の子を抱えていた。



助けに来てくれたんだということがわかって抵抗をやめると、わたしたちの体を抱えたまま上へとのぼっていく。



そしてゆらゆらきらめく水面が見えてきた。