「だめ、綾乃。桐ケ谷が妬くから。さ、そろそろ会場に移動する時間だよ〜!」


当然だけど、待ち合い室に千景くんの姿はない。


千景くんは学校からそのままリムジンでホテルに直行したため、今はどこにいるのかはわからない。


早く会いたいな。


『誕生日おめでとう』って、まだ言えてないから言いたい。


プレゼントも今日ちゃんと持ってきた。


手作りのブレスレットとクッキーに、お手紙も添えて。


喜んでくれるかな……。


喜んでくれるといいな。