「す、すごい……」
会場であるホテルに入った途端、そこが異世界のようにさえ思えた。
白く輝く大理石の床に、豪華なシャンデリア。
洗練されたホテルスタッフの優雅な立ち居振る舞い。
すべてが超一流の高級ホテル。
ま、まずいよ、これは。
絶対にくる場所をまちがえた。
庶民のわたしがきていい場所じゃない気がする。
「どうぞこちらへ」
受付けを済ませて待ち合い室に案内された。
服装はフォーマルだと聞いていたので、無難にシフォン生地のレモンイエローのサマードレスを選んだけれど。
もう少しちゃんとしたものにすればよかったかな。



