「絶対に逃がさないよ」 声に甘さが加わって、鼓動が大きく飛び跳ねる。 「……っ」 わたしの上に覆いかぶさり、じっと見下ろしてくる千景さん。 ──ドキンドキン 心臓の音がうるさい。 力強い眼差しに捉えられたら、心をわしづかみされたみたいに目が離せなくなる。 長いまつ毛ときれいに通った鼻筋が影を作って、細部にまで及ぶ美しさにため息がもれそうになった。