「へへ、恥ずかしいな……」


ポッと顔が熱くなる。


「やっべ、可愛い」


「マジで、ツボ」


「だけど相手が悪すぎるよな……」


ちらちらとクラスメイトたちからも見られて、さらに恥ずかしさでいっぱいになった。


「一ノ瀬、今後も綾乃をよろしく。ぜひとも変な虫を寄せつけてくれるなよ」


「いや、日本語おかしいから。それに教室で凄まないで。男子たちが怯えた目で見てるじゃん」


そう言いながらブルっと体を震わせる柚。


「じゃあいい子でね」


そう言い残してわたしの頭を撫でると、千景くんは自分の教室へと戻っていった。