どうやら目を覚ましたらしい主の低い声が、耳元に響いた。 「あ、の、腕を離していただけないでしょうか?」 渾身の力を振りしぼって身をよじる。 「だめ」 それよりもさらに強い力が、わたしを閉じ込めた。 「綾乃は俺のだから」 「え、と、えと、あの」 その言葉の意味もだけれど、この状況についていけない。