「ち、千景くんに、抱きしめられたいっていう意味の好きだからね?」


「は……?」


「男の子としての千景くんが……好き」


嬉しすぎて、信じられなくて、今度は俺が固まった。


俺と同じ気持ちでいてくれてるって思っていいの……?


今野のこと、好きじゃなかったのかよ?



「もう1回……もう1回言って?」


「好き、だよ……」


3度目は、俺の背中にギュッと腕を回して。


最高の幸福を噛みしめながら、俺は綾乃の体をさらにきつく抱きしめた。


「く、苦しいよ、千景くん」


「もっと苦しくなって」


俺を想って、もっともっと苦しくなればいい。

俺が綾乃しか見えてないのと同じくらい、綾乃も俺しか見えなくなればいい。