「今野くんはただの友達。お祭りも、たまたま一緒にって声かけてくれて……」 たまたま、ね。 綾乃にはそう映ってるかもしれないけど、俺からしたら狙ってんだろって話。 2人が仲良くしてた姿が浮かんできて、拳を力いっぱい握る。 『勝手にすれば』って、最初に遠ざけたのは俺の方。 多分きっと、俺が全部悪い。 ちゃんと謝らないと。 「ごめん、綾乃。俺さ──」 そう言いかけたとき、綾乃がポツリと口を開いた。