「ちかくん、夏の部屋でお話しない?」 「いやいや、ちかは俺の部屋で勉強すんだよ」 「え、夏に会いに来てくれたんじゃないの?」 右から左に抜けてく会話。 なにを言われても、今の俺には入ってこない。 というよりも、全部がどうでもいい。 「おい、ちか?」 「ちかくん?」 「え……?」 おんなじ顔が2つ、俺をまっすぐに見て目を瞬かせる。