──ガタッ


そのとき、わたしたちの靴箱を隔てた向こう側から大きな音がした。


その音に今野くんがハッとした表情になる。


「へ、返事は今すぐじゃなくていいよ。テストが終わってからまた話そう。いきなりごめんな。また明日!」


パッとわたしから手を離して駆けて行く今野くん。


わたしは固まったまま、その場から動くことができなくて。



「おーい、ちか。なにやってんだよ、そんなところで」


へっ……!?


「ほら、帰ろうぜ。今日は俺んちにくるって約束だろ」


ちか……?