『あなたが言い出したことでしょ? 日本に残って多摩百合学園に通いたいって。自分の言葉には最後までしっかり責任を持ちなさい』


『お母さん、それはちょっとひどすぎないか?』


後ろでお父さんのうろたえる声がする。


お母さんなりにわたしを励ましてくれているんだ。


厳しい言葉の裏に隠された優しさをひしひし感じて、また涙がにじんだ。


わたしがアメリカに行きたいと言えば、きっとお母さんも受け入れてくれるだろう。


「わたし、まだがんばる……」

『それでこそ綾乃よ。応援してるわ』



ズッと鼻をすするわたしの耳に、お母さんの優しい声が届いた。