『あ、綾乃〜! アメリカにおいで。慣れれば住みやすいところだよ。肩身の狭い思いをしてるんじゃないか? 毎日心配で夜も眠れないんだっ』 グラグラと揺れ動く心。 このまま逃げたら楽になれるのかもしれない。 正直、逃げてしまいたいよ。 腕でゴシゴシ涙を拭う。 『綾乃、なにがあっても負けるんじゃないわよ。お父さんとお母さんは、最後まで綾乃の味方だからね』 お母さん……っ。