『泣かないの。綾乃はいつまで経っても寂しがりやなんだから』 なにも言わなくても、お母さんはわたしの声で察してくれたらしい。 さすがわたしのお母さん。 『綾乃〜! 元気がないだって? お父さんに会えなくて寂しいんじゃないのか? お父さんは綾乃の顔が見れなくて死にそうだよっ』 「お父さん……」 弱ってるときには、お父さんの声ですらうるうるきちゃう。