でも……千景くんが悪いんじゃん。 なんで怒ってんのよ。 意味わかんないよ、ほんと。 「どうしたの? 朝から悲壮感満載だね」 ぐったりするわたしの上から、爽やかな声が降ってきた。 「あ……! 昨日の!」 千景くんの家の前にいたメガネの美少年さん! まさか、同じ高校だったなんてっ! 「おはよう。成瀬さん、だっけ?」 「は、はい……おはようございます」 上半身を起こして前髪を整える。 たくさん汗かいたし、ボロボロの顔見られたくない……。