「もう知らないっ! 千景くんの顔なんて、当分見たくないからっ! いーだっ!」 フンッとそっぽを向いて、立ち止まってポカンとしている千景くんの横をすり抜け、階段を駆け下りる。 腕で涙を拭い、あたふたしてる如月さんを横目に大広間へ出て玄関に向かった。 そしてそのままお屋敷をあとにして、一度も振り返ることなくひたすら走った。