4人で河川敷に座って花火が始まるのを待つ。


その間にしっかり腹ごしらえを終えた今野くんが、わたしの肩を叩いた。


「はい、あーん」


振り向いたのとベビーカステラが口の中に押し込まれたのは、ほぼ同時。


「むぐっ……」


条件反射で思わず口を動かして咀嚼する。


「美味しい……」

「だろ? 元気出た?」

「…………」


わたしったら、今野くんにまで気を遣わせちゃうなんて。


「ありがとう。ごめんね……」


今日はほんとにだめだめだ。


どうしても気分が上がらない。