「俺が一緒じゃだめ?」 偶然通りかかった今野くんが話に入ってきた。 たまたま部活が休みなのと、わたしが困っているのを察してくれたみたい。 「あたしは全然いいけど、綾乃は?」 「もちろんっ!」 「…………」 心なしか柚の顔がぎこちなく引きつったような。 「綾乃がいいなら、あたしはなにも言ーわない」 これでいいんだと自分に言い聞かせて、極力千景くんのことは考えないようにした。