「成瀬、綾乃です……っ! 本日からお世話になりますので、どうぞよろしくお願いいたしましゅ……!」
カッコよく決まったと思ったのに、最後の最後で噛んじゃった。
「す、すみません……っ」
恥ずかしい……。
やだぁぁぁ。
「あはは」
ボボッと赤くなるわたしの横で楽しげに瞳を揺らす千景さん。
ううぅ、笑われると余計に恥ずかしい。
「かわいーね」
か、可愛い、なんて……。
千景さんにしたら道端の犬を褒めるような感覚なのだろうけれど……。
他意はないにしても、王子様級の人に言われて不覚にもときめいてしまった。
やっぱり、この人がちかちゃんなわけないよ……。



