「綾乃ってほんと、危なっかしい」


そう言って後ろ手に後頭部を撫でられた。


「……っ」


千景くんの腕の中でギュッと目を閉じる。


──ドキンドキン


千景くんの?


それとも、わたしのかな。


こうされてても嫌じゃないなんて……。


「俺以外の男に隙なんて見せないで?」


全然意味がわからない。


ただ、ものすごくドキドキさせられた。