同じお屋敷で生活してても千景くんは習い事や色んなことで忙しくて、一緒にいられる時間はご飯のときくらい。


──コンコン


「!」


だから、夜に部屋のドアがノックされるなんてとても珍しいことだった。


内ドアからのノックだから、相手は千景くんしかいない。


顔、赤くないよね……?


気合いを入れてドアを開けると、そこにはお風呂上がりなのか髪の毛が濡れている千景くんが立っていた。


そのせいなのかいつもよりも色っぽく見えて、ドキッとする。


「ど、どうしたの?」


「なにしてんのかなって。もう寝ようとしてた?」


「ううん、まだ寝ないよ」


「っていうか、いつもそんな格好でいんの?」


「え?」


そう言われて首をかしげる。


変かな、この格好。


お気に入りの部屋着なんだけど。