大丈夫だとわかってから湿布を貼って、氷水が入ったビニール袋で患部を冷やす。


千景くんはそのときもつらそうに眉をピクッと動かした。

相当我慢強いのか、痛いとはひとことも口にしなかったけれど。


「カッコ悪いね、俺……情けなさすぎる」


腕で顔を覆いながら、元気がなさそうな千景くんに首をかしげる。


「カッコ悪くなんて、ないよ?」


だって。


「最後のシュート……すごくカッコよかった」


ボールがゴールネットを揺らした瞬間、わたしの中でなにかが弾けたような気がしたの。