「俺のせいでこんなことになって、ほんとごめん……」



千景くんのせいなんかじゃない……っ。


わたしがもっと警戒していれば、こんなことにはならなかった。


「柚にね、気をつけろって言われてたの……1人になっちゃだめだって。それなのに、わたしが……」


「綾乃は悪くない。そもそもの原因は全部俺だよ」



そう言って力強く手を握ってくれる千景くんに、胸が締めつけられる。


「千景くんは悪くない。だってわたし、千景くんが来てくれて嬉しかったよ……っ」


そうだよ、嬉しかったんだ。


心の底からホッとして、安心感が胸いっぱいに広がった。