「綾乃、会いたかった」 誰だろ、さっきからわたしを知ってるような口ぶりだけれど。 わたしにはまったく身に覚えがない。 「やっと会えて嬉しいよ」 だんだんと距離を縮めてくる王子様に耳元で囁かれて、固まった。 ものすごく、心臓に悪い……っ。 「綾乃?」 うっ……、目を見つめてこないで。 近すぎる距離にパッと目をそらしたい衝動に駆られる。 けれどそれができなくて、まるで瞳で捉えられたかのような気分。