「ちっ、見つかった。おい、走るぞ」 「へっ!?」 有無を言わさず抱えていたボストンバッグを奪うと、王子様は次にわたしの手をつかんで引っ張った。 え、え? 困惑している間にも足は動き出し、気づけば全力疾走させられていた。 舗装されていない(おそらく庭)森の中を、やみくもに進む。 なにがなんだかわからないまま、一生懸命足を前に押し出して無我夢中で走った……。