「あ、そうだ。さっきはありがとう!」 「さっき?」 「女の子たちを一瞬にして図書室から出してくれたでしょ?」 「べつにお礼なんていらないよ。ただ、綾乃が困ってるように見えたから」 ──ドキッ やけに真剣な目で見つめられて、不覚にも胸がときめいた。 どうしてだろう、千景くんといると鼓動が早くなるのは。