「あんまり近づかないでくれる?」 「桐ケ谷くんだって、迷惑してるんじゃないのかな?」 迷惑……。 千景くんが? 「世界的にも有名な桐ケ谷財閥の御曹司と、なんの取り柄もない一般人」 「凡人は凡人らしく、同じレベルの人間と恋愛してりゃいいのよ」 身の程知らず……。 言い返す言葉を見つけられずにいると、今野くんがわたしの前にすっと体を滑り込ませてきた。 「恋愛なんて本人たちの自由だろ。それを周りがとやかく言うのは、どうかと思うけど?」 こ、今野くん……。