「あの時いたのは弟です。弟は女装が趣味なんですよ」

清高の言葉に未来はあの時のことを思い返す。よく考えれば声が女性にしては低かったような気がした。

「えっ!?じゃあ私勘違いをずっとしてたんだ……」

「勘違い?」

未来の言葉に清高が首を傾げる。未来は言うなら今だと覚悟を決め、大きく息を吸った。胸が高鳴り、顔が赤くなっているとわかる。

「私も、ずっと清高さんのこと気になっていて……。好き、なんです」

互いの顔が赤く染まっていく。ベリーショートになった未来の頭に清高が優しく触れた。

「今度、一緒に映画でも観に行きませんか?」

「はい、ぜひぜひ!!」

次のデートの約束をして二人は手を振って離れる。未来の胸はFloraに行く前とは打って変わり、幸せにあふれていた。