3年間保健委員である愛寧は、朝学校に着くとやっていることがあった。人が増えてくるまで窓を開けて空気の入れ替えをする。
冬場は乾燥防止のために雑巾を絞って干している。
夏に変わる頃の風は爽やかで好きだ。窓を開けて心地よい風がブワッと入ってくる。
「さて、始めますか!!」
髪を1本に結び、ワイシャツの袖を捲ると掃除ロッカーを目指した。箒を取り出して部屋の隅々をはいていく。
1年の後期からこれをやり始めた。飽きのスパンが短い愛寧にしては続いている方だ。
教室をはき終わったところで、廊下から声をかけられた。
「桜田〜!」
「愛寧ちゃーん」
ドアの前に立っているのは誠と天井うらら|《あまい うらら》だ。
このふたりは学校に来るのがいつも早いので、毎朝廊下で話し相手をしてくれるr
天井はきっちりとした性格なんだけど、おちゃらける時の方が多く、掴みどころのない人だ。
1年生の頃に同じクラスで意気投合して一緒に帰っている。
「天井!東!おはよ〜!」
「おはよー」
駆け寄っていくと2人ともニヤニヤしていた。
(もしかしたら昨日の事を東が天井に教えたの..?すぐに天井には話ちゃうんだから)
そう思って愛寧は話しかける。
「何、ニヤニヤしちゃって気持ち悪いよ!東!!」
「え〜...俺だけかよ」
「当たり前じゃん」
「天井は?」
「天井はきもくないもんね〜!」
「ね〜」
と天井に軽く抱きつき声を合わせて誠にドヤ顔を見せた。
2人のボケに対してツッコミ1人の朝限定のグループで、大したツッコミ力なんてない誠は、疲れてしまいボケに回ろうかなんて毎日思っている。
「そういや、愛寧ちゃん。昨日はどうだったの?藤平は」
惚気を期待する誠達に反して愛寧は浮かない表情を見せた。
「それがさ..LINEが来たのはいいんだけど、私が寝落ちしちゃって..」
「それで?藤平怒ったわけじゃないでしょ?」
「怒ってはないけどさ.....もう少し、話したかったって」
口をとんがらせた愛寧を見たふたりは愛寧の方に片方ずつ手を置いて、「そうかそうか」と頷いた。
「そうだよな、もっと話したかったよな...」
「まあ、でも今日はいい日になるんじゃない?」
あはっ!と短く笑って3年生が上がってく階段の方を天井は指さした。
ゾロゾロと人が上がってくる中で、いつもなら遅く来る人がいた。
藤平だ。
ドクンッと心臓が跳ね上がる。
(嘘..いつもこんなに早くないのに..!!時間はまだ8:15分..いつもなら本鈴ギリギリなのに)
航平は大きく欠伸をして愛寧の方をチラッと見た。一瞬だったが、目線があったのがわかる。
「いやっ!!照れる〜...」
視線を逸らして天井に抱きついて顔を埋めた。
「ほらぁ..せっかく早く来たのに持ったいねぇな。」
「しょうがないじゃん...そんな耐性持ってないし!」
「どんな耐性よ」
軽く笑うと、何か思いついた顔をして誠は天井を連れてどっかに連れていこうと呼んだ。
「天井〜..ちょと下の部活ボードに用があるから一緒来て?」
「いいけど、桜田も行こ?」
「うん!」
「だーめ。俺は天井と行きたいの!」
「ケチ!!」
愛寧を頑なに断ってさっさと2人で下の階に降りていった。
べぇーっと誠に向かって恨みをぶつけていると横から笑い声聞こえた。
「ふっ...んっ...ははっ..!なにしてんの?」
笑いをこらえきれてない航平がいたのだ。
「えっ..!いやっこれは..あはは〜..」
(変顔を見られた....待って恥ずかし...嘘だァああ、タイミング悪すぎでしょ。)
その場か逃げ出したくって階段の方見ると誠と天井がこっそり見ていた。2人ともニヤニヤと気味悪い笑みを浮かべている。
誠が天井を誘ったのこれを見るためであったのだ。
(騙した!!あいつ!!!)
「そういえばさ、昨日LINEで言えなかったことなんだけど...」
「う、うん!!」
愛寧の頭の中は航平との話よりも、変顔を見られてた事でいっぱいだ。
「..くら.....さ...くらだ....さくらだ!.桜田!!」
「えっ..ごめん!ぼーとしてた。なんだっけ?」
「桜田もぼーっとすんのな。だから、今週の日曜日に出かけられないかなって..予定空いてる?」
(ななななななななな!!!なんですって!)
「空いてる!!すっごい暇だよ!!」
「そっか!良かった!!じゃあ、10:00白鳥駅前で!」
「うん!」
じゃっ!と手を振って男子たち群れに戻っていく航平。
ぼーっと見ているしか無かった。
(うわああああああああ..デート?!これってデートかな?!!!ちょと早いのでは.?でも中3なら当たり前かな?いやっ、そもそも付き合ってないし?!)
心は、ご乱心であったが。
冬場は乾燥防止のために雑巾を絞って干している。
夏に変わる頃の風は爽やかで好きだ。窓を開けて心地よい風がブワッと入ってくる。
「さて、始めますか!!」
髪を1本に結び、ワイシャツの袖を捲ると掃除ロッカーを目指した。箒を取り出して部屋の隅々をはいていく。
1年の後期からこれをやり始めた。飽きのスパンが短い愛寧にしては続いている方だ。
教室をはき終わったところで、廊下から声をかけられた。
「桜田〜!」
「愛寧ちゃーん」
ドアの前に立っているのは誠と天井うらら|《あまい うらら》だ。
このふたりは学校に来るのがいつも早いので、毎朝廊下で話し相手をしてくれるr
天井はきっちりとした性格なんだけど、おちゃらける時の方が多く、掴みどころのない人だ。
1年生の頃に同じクラスで意気投合して一緒に帰っている。
「天井!東!おはよ〜!」
「おはよー」
駆け寄っていくと2人ともニヤニヤしていた。
(もしかしたら昨日の事を東が天井に教えたの..?すぐに天井には話ちゃうんだから)
そう思って愛寧は話しかける。
「何、ニヤニヤしちゃって気持ち悪いよ!東!!」
「え〜...俺だけかよ」
「当たり前じゃん」
「天井は?」
「天井はきもくないもんね〜!」
「ね〜」
と天井に軽く抱きつき声を合わせて誠にドヤ顔を見せた。
2人のボケに対してツッコミ1人の朝限定のグループで、大したツッコミ力なんてない誠は、疲れてしまいボケに回ろうかなんて毎日思っている。
「そういや、愛寧ちゃん。昨日はどうだったの?藤平は」
惚気を期待する誠達に反して愛寧は浮かない表情を見せた。
「それがさ..LINEが来たのはいいんだけど、私が寝落ちしちゃって..」
「それで?藤平怒ったわけじゃないでしょ?」
「怒ってはないけどさ.....もう少し、話したかったって」
口をとんがらせた愛寧を見たふたりは愛寧の方に片方ずつ手を置いて、「そうかそうか」と頷いた。
「そうだよな、もっと話したかったよな...」
「まあ、でも今日はいい日になるんじゃない?」
あはっ!と短く笑って3年生が上がってく階段の方を天井は指さした。
ゾロゾロと人が上がってくる中で、いつもなら遅く来る人がいた。
藤平だ。
ドクンッと心臓が跳ね上がる。
(嘘..いつもこんなに早くないのに..!!時間はまだ8:15分..いつもなら本鈴ギリギリなのに)
航平は大きく欠伸をして愛寧の方をチラッと見た。一瞬だったが、目線があったのがわかる。
「いやっ!!照れる〜...」
視線を逸らして天井に抱きついて顔を埋めた。
「ほらぁ..せっかく早く来たのに持ったいねぇな。」
「しょうがないじゃん...そんな耐性持ってないし!」
「どんな耐性よ」
軽く笑うと、何か思いついた顔をして誠は天井を連れてどっかに連れていこうと呼んだ。
「天井〜..ちょと下の部活ボードに用があるから一緒来て?」
「いいけど、桜田も行こ?」
「うん!」
「だーめ。俺は天井と行きたいの!」
「ケチ!!」
愛寧を頑なに断ってさっさと2人で下の階に降りていった。
べぇーっと誠に向かって恨みをぶつけていると横から笑い声聞こえた。
「ふっ...んっ...ははっ..!なにしてんの?」
笑いをこらえきれてない航平がいたのだ。
「えっ..!いやっこれは..あはは〜..」
(変顔を見られた....待って恥ずかし...嘘だァああ、タイミング悪すぎでしょ。)
その場か逃げ出したくって階段の方見ると誠と天井がこっそり見ていた。2人ともニヤニヤと気味悪い笑みを浮かべている。
誠が天井を誘ったのこれを見るためであったのだ。
(騙した!!あいつ!!!)
「そういえばさ、昨日LINEで言えなかったことなんだけど...」
「う、うん!!」
愛寧の頭の中は航平との話よりも、変顔を見られてた事でいっぱいだ。
「..くら.....さ...くらだ....さくらだ!.桜田!!」
「えっ..ごめん!ぼーとしてた。なんだっけ?」
「桜田もぼーっとすんのな。だから、今週の日曜日に出かけられないかなって..予定空いてる?」
(ななななななななな!!!なんですって!)
「空いてる!!すっごい暇だよ!!」
「そっか!良かった!!じゃあ、10:00白鳥駅前で!」
「うん!」
じゃっ!と手を振って男子たち群れに戻っていく航平。
ぼーっと見ているしか無かった。
(うわああああああああ..デート?!これってデートかな?!!!ちょと早いのでは.?でも中3なら当たり前かな?いやっ、そもそも付き合ってないし?!)
心は、ご乱心であったが。
