「で、何を話したの??」


少人数教室に集まり、全員で円になって女子トークを始める。
愛寧は思い出したのか桃色に頬を染めてポツポツと語り出す。


「ほら、土曜日に藤平さん救急車で運ばれたでしょ?それで朝席が隣になったから大丈夫だったの?って話したの。」


『ええええ!!席隣になったの?!』

女子が"隣の席"に反応し「おめでとう」と言葉をかけていく。

「ありがとう!!それでね、藤平さんが心配してくれてありがとうって言ってくれて..
その時はそこで会話止まったんだけど、さっき水道前で話しかけられたの。」


そこまで言うと、ニヤニヤが止まらず頬に手を当てて「いや〜..照れるわぁ」とひとりで悶え始める。


「もーう、早く話してよ!!」



「なんでうち?!」


痺れを切らした美優が隣の美来を揺さぶる。


「あ、ごめん! それで、話しかけてきたなって思ったらグループLINEからアカウント追加してもいいって聞いてきたの!!

わざわざ聞いてきたんだよ!!勝手に追加すればよかったのにさ!!もう感激だよね!

"わざわざ聞かなくてもよかったのに"
って言ったら、

"いや、聞きたくなって"

って言われてさ..
片思いの相手にそんなこと言われたらますます惚れるやろがーい!!!!」


興奮した愛寧は百佳の肩に顔を埋めて揺れている。百佳を巻き込んで揺れている。


「もう、そんなの両片思いみたいなもんじゃない?!もう告っちゃえよ〜..」

「それな!青春じゃんよー!!」


と、美優と美来は立ち上がって叫ぶと思ったら、さっきの会話を再現し始める。

愛寧は満更でもなさそうにその劇を見て楽しそうに笑うと、歩瑚から他にはないのかと聞かれたのでまた言い足りない惚気を話し始めた。