上司は優しい幼なじみ

「聞きたいです。教えてください、半田さんが知っていること」

すると半田さんは手を止め、ゆっくりと口を開いた。


「二人が出会ったのは、大学の頃。同じサークルだったらしい」

え、そんなに前から…?

てっきり職場恋愛かと思っていた。
想像以上に二人の関係性が深かったことに、内心ショックを受けた。

「ずっと大川の片思いだったみたいだよ。でも当時は告白とかしていなかったって。仲もよさそうで、告白すれば絶対うまくいくだろうっていう雰囲気だったって」

半田さんはたっくんと大学は違うはずだったのに、どうしてそんなに詳しいのだろうと不思議に思っていると、それを察したのか「知り合いも同じサークルだったんだ」と言葉を加えた。
そのまま話を続ける。