上司は優しい幼なじみ

「くー！！さいっこうにうまいわ！！」

「もう今日は、飲んでやります！！」

グビグビと喉に流し込む私の姿を見た半田さんは、小さい声で「おー」と関心を示す。
鳥の軟骨と枝豆、だし巻き卵をつまみにお酒を進める。

「プレゼン、大丈夫だった？結果はどうとか聞かないけど…雰囲気的に」

意外にも、私のプレゼンに容赦なく突っ込んできたのはたっくんだった。
彼の指摘に周りもうんうんと頷くような場面が多かったイメージがある。

「んー…正直、プレゼンの度にあの雰囲気になるっていうのは、メンタル的にこの先不安といいますか…」

そう言うと、半田さんは枝豆をひとつ食べ、ビールで流し込み口を開いた。

「大川だろ？仕事に関しては相手が誰であろうと妥協しないからな、昔からそうだった。山本さんの時も…」

そう言いかけたところで話をやめる。
山本さんの名前が出た瞬間、思わず顔を上げた。