「岡田さーん!」
声の主は半田さん。顔をあげると、手招きをしていた。
席を立ち、半田さんの方に行くと資料を渡させる。
「悪いんだけど、これEC事業部に持って行ってくれない?吉田さんって人が担当だから」
よく見てみると、私も参加しているオンラインショップ限定商品案のリストだった。
あれから一度ミーテングがあったけど、こんな状況になってしまい私はしばらく参加できずにいた。
仕方ないことではあるけれど、申し訳ないという気持ちもあり、ほんの小さなことだけどこうしてプロジェクトに関する仕事を任せてもらえて嬉しい。
私もメンバーだよ、と言ってもらえている気分だ。
「わかりました!」
半田さんから資料を受け取り、フロアを出てEC事業部に向かおうとすると、向こうからたっくんが歩いてくるのが見える。



