山本さんが休みの間、彼女が担当していた業務がたくさん私に降りかかってきた。
それは山本さんにしかできない仕事で、ずっとそばについていた私だとやり方を知っていると思われているらしい。
それは間違いないのだが、業務の質や効率までもを吸収しきれているわけではない。
だから…
「岡田さん、A雑貨部門のトレンド分析の資料はまだ?」
「あ、すみません今まとめている最中で…」
「…ッチ」
こうしてイライラさせてしまうこともしばしば。
あれからたっくんとはまともに話せておらず、業務の必要最低限の会話のみだ。
かと言って、彼を避けているわけでもない。
商品企画部全体が忙しすぎるせいで、それどころではない、といった感じだ。
元々忙しい部署だけど、山本さんがいなくて余計バタバタしており、時間もあっという間に過ぎる。



