上司は優しい幼なじみ

再会して、同じ職場で働けて、仕事も軌道に乗り始めたところ。
たっくんに認めてもらいたくて、少しでも山本さんみたいになりたくて、今回のプレゼンには力を入れていた。

幼馴染という絶対的立ち位置であるがゆえに、調子に乗っていたのかな。
この会社でたっくんのことを一番知っているのは、私だと思っていた。

でも、たぶん…きっと、違う。

「たっくんと、山本さんて、どんな関係…?」

あぁ、聞いちゃった。

聞かなくても、なんとなく想像つくはずなのに。
わざわざ自分から崖の下の落ちに行くようなものだ。

「…前、付き合ってた」

…ほらね。

涙を必死にこらえ、声が震えないようにわざとらしく張り上げた。

「そ、そうなんだー!なんか、そうじゃないかな~って思ってたよ!」

急に大きな声を出したことに驚いたのか、目を丸めてちらっとこちらを見た。