上司は優しい幼なじみ

画面に集中していると、突然フロアの外から悲鳴が聞こえた。

「きゃーー!!」

びくっとして顔を上げる。
勢いよく立ち上がり、フロアから飛び出した。

「山本さん!?大丈夫!?」

「…!?」

私はその場に呆然と立ち尽くした。
帰ったと思っていた山本さんが、床に倒れこんでいた。
彼女の肩を揺らす磯部さんの顔は蒼白。

どうしよう…私はどうしたら…

微動だにしない私をにらみつける磯部さん。
先ほどの会議では穏やかな雰囲気だったから、その変貌に怯んだ。

「救急車呼んでよ!」

「はっ…はいっ!!」

スマホを取りに席に戻るが、見当たらない。
あれ…どこにやったっけ。業務中いじらないからカバンの中にあるはずなんだけど…
動揺で手が震える。向こうからは磯部さんの声が響き渡る。