上司は優しい幼なじみ

作業途中の自分のPC画面に映っているパワーポイントと見比べる。
その出来栄えは歴然の差だった。
私の作った資料は、熱量を込めすぎたあまり長文になりすぎている。
そもそもパワーポイントは図形や画像を主に使い、要点をわかりやすくまとめるもの。
私のなんて、まるでカンペだ。

まずい…作り直さないと。

「…岡田さん？どうした？」

私の気配に気づいたのか、山本さんが振り返った。
慌てて「なんでもないです！」と言って小走りでその場を去る。

給湯室でコーヒーを淹れ、すぐに席に戻った。
山本さんの姿はなく、もう帰ったようだった。

はぁと息をつき、スリープ状態のPCを弄り画面を再び開く。
とりあえず入れすぎた文字をすべてコピーしてメモにペーストする。
図形や画像を増やし、コピペした文字をまとめて重要な部分だけ入れていく。