上司は優しい幼なじみ

「今回の私の立ち位置って、山本さんのフォローですよね?」

何度も言うが、あのメンバーの中に私がいるのはあまりにも不自然だ。
するとたっくんはPCを持ち立ち上がる。

「形ではそうだけど、どんどん君も新しいアイデアを発信してほしいと思っているよ。新入社員でも経験の為にどんどんプロジェクトに参加させるのがうちの教育方針だからね」

そ、そうなのか…さすが、若い人が役職つくような会社なだけある。
たっくんも山本さんも、この部はみんなそういった経験を経て立派になっているんだ。

私もようやく、そのスタート地点に立てた気がする。



今日も相変わらずの残業。
一息つきたくて給湯室に行こうと立ち上がり、山本さんの席の後ろを通る。
その時にちらっとPCの画面が見えた。
映っているのはおそらくプレゼン資料のパワーポイント。
その最終チェックを行っているのだろう。
一瞬見ただけだが、とてもきれいなレイアウトでまとめられていた。