上司は優しい幼なじみ

「えー、岡田さんのデスクはあそこ。隣の山本が指導に入るから、たくさん教えてもらいなさい」

日高部長の指さす方向に目をやると、空いたデスクの隣に座っていた女性が立ち上がり、「よろしくね」と笑みを浮かべる。

黒髪ロングでセンター分け。大和撫子という言葉がぴったり当てはまる、とても綺麗な女性だった。


「よろしくお願いします!」

優しい日高部長、綺麗な山本さん、他の人たちも皆笑顔で迎えてくれた。
いいスタートが切れそう、そう思った。

あの人は…ときょろきょろあたりを見回す。


私のデスクとは離れたところに立っていた。
こちらを見て、おそらく目が合い、丸い目を垂らす。


その雰囲気に既視感を覚えたが、それが何故なのかわからなく、そこまで気にしなかった。