上司は優しい幼なじみ

プレゼン資料作成と並行し、山本さんのフォローや雑用をこなす日々。
せわしなく動く商品企画部で、また新たなプロジェクトが始まった。

「今回EC事業部の拡大に伴い、オンラインショップ限定商品を販売することになりました」

商品企画部の人間が数名集められた会議室に、私もいる。
たっくんはPCに目をやりながらメンバーに方針を説明している。
どうして私がこの場にいるのか不思議なくらい、すごい人たちばかりだ。

山本さんはもちろん、半田さん、入社半年で企画した商品がヒットしたという偉業をもつ磯部さんという女性、他にもすごい噂を聞く人たちばかり。
明らかに私だけ場違いである。
おそらく、ここにいるメンバーの補佐という形なのだろうけれど。

「丁度、次回のプレゼンに参加するメンバーもいるけど、並行してこちらのプロジェクトにも是非参加してほしいんだ。山本さん、岡田さん」

たっくんの目が私と山本さんをとらえる。