上司は優しい幼なじみ

本人は商品企画がやりたくてエリアマネージャーをやめたって言っていたけど、店舗スタッフも向いていると思った。

「前回私が指摘したところ、かなり改善されているわね。次は抜き打ちで来ないと」

「抜き打ちもするんですか?」

「事前に来るってわかっていると、その時の為だけに準備されていたりするものなの。常にできていないと、意味ないでしょ?だからその確認も含めて、抜き打ちで来る必要もあるってわけ」

山本さん…そこまでやっているんだ。
仕事量が尋常じゃない。

「商品企画部にいながら、そこまでやるの、負担じゃないですか?」

「まぁ、大変っちゃ大変だけど…楽しいしやりがいあるから」

そう話す山本さんの目は輝いていた。
この仕事を心から楽しんでいる、そう感じた。