上司は優しい幼なじみ

「岡田さん。ありがとう。私も元々、フリースタイルが好きで入社したの。ここで働いていると、どうしても利益とか、コストとか、競合他社の動向とかばかり考えるようになるから、そういう気持ち、すっかり忘れちゃっていたよ」

私にも、そういう時が来るようになるのだろうか。
今の私には、会社の利益とか考えられるようになっている未来が想像できない。
でも、本来はそいういう姿であるべきなのだろう。
難しい仕事だ…


「いかにブランド力を上げることができるかってことよね…やっぱり商品だけじゃなくて、お店の雰囲気やレイアウト、スタッフの接客態度も重要になってくるわ…あ、でもそこまでいくと商品企画部の範疇を超えているわね…」

山本さんはぶつぶつとつぶやきながらキーボードを叩く。
ただの大和撫子ではない。仕事に情熱と誇りを持った、芯の強い女性だと思った。