上司は優しい幼なじみ

そこからはもう質問攻め。
変なことを聞かれたわけではないけど、丁度昨日、たっくんの車の中で盛り上がった思い出話を再びしている感じだ。

「でもさー。俺幼馴染とか、知り合いと同じ職場とか経験したことないからわからないんだけど、接し方とか難しくない?大川はそういうの大丈夫そうだけど、岡田さんは…」

「…え?どういうことですか?」

たっくんも笑いをこらえている。
え?何?これはバカにされている?

「ごめんごめん、変な意味じゃなくて。昨日から岡田さんの働きっぷり見ていて、いつも真面目で全力で、真っすぐに生きていそうだからさ、そういう切り替えとか逆に難しいんじゃないかと思って。ほら、素直って意味でね」

ちらっとたっくんの方に微笑みながらご飯を口にしていた。

「私って、そんなにバカっぽい…?」

思わずたっくんに対しての口調がプライベート口調になってしまった。
するとすぐ上司の顔を見せる。

「こら。ここは職場」

「あ…すみません」