上司は優しい幼なじみ

「それにしても、珍しいんだよな。大川が新入社員の子をお昼に誘うのって」

「…え?」

その言葉に、目線をたっくんに移す。
たっくんはお構いなしに定食の唐揚げを上品に食べていた。

「いや、ね?たまたま鉢合わせて’じゃあ一緒に食べるか~’っていう流れになるんだったらわかるんだけどさ、別にそういうのなく大川から声かけてたじゃん?」

「あ、えっとー…」

それはたぶん、ただの新入社員ってだけじゃなくて…

「幼馴染なんだ」

たっくんはそう言って水を飲む。
その言葉に半田さんはしばらくフリーズした。

「…え、まじ?そうなの?職場で再会しちゃったってやつ?」

「そう」

…そうか。別に言ってもいいのか。

「そうなんです。実は、15年ぶりの再会でして…」

「まーじか!!それはすげーな!!え、お互いすぐ気づいたの?」

明かした私たちの関係性に、半田さんは一人でテンションが上がっている。
この人…なかなか面白い。