そのまま流れるように辞令に目を通した。
たっくんを含め、数名。知らない名前がほとんどだったが、スクロールして’ある人’の名前が目に入った瞬間、マウスをいじる手が止まった。
---山本 美子
「え…」
その瞬間、一つの疑問が晴れた。
山本さんが目にしていたオーストラリア関連の書物。
あの時は、山本さんの異動も決定していたんだ。
たっくんと山本さんが、オーストラリアに…
朝礼で、日高部長から話があった。
たっくんと山本さんは前で挨拶と意気込みを語る。
周りは二人へ拍手を送るが、私も同じ動作をしつつも心の中は無だった。
今回のプロジェクトにあたり、二人でどれだけ話したのだろう。
’楽しみ’
’絶対成功させよう’
そういった前向きな言葉を掛け合ったに違いない。
同じ環境で、同じ目標を掲げる。
そんな二人の未来を容易に想像できた。
その瞬間、心がぽきっと折れる音がした。
だからなのかな。
ギリギリになって私に言ったことも、気が変わったら仕方がないと言ったことも、全て辻褄が合ってしまう。
本当は…私に離れてほしかった?
たっくんを含め、数名。知らない名前がほとんどだったが、スクロールして’ある人’の名前が目に入った瞬間、マウスをいじる手が止まった。
---山本 美子
「え…」
その瞬間、一つの疑問が晴れた。
山本さんが目にしていたオーストラリア関連の書物。
あの時は、山本さんの異動も決定していたんだ。
たっくんと山本さんが、オーストラリアに…
朝礼で、日高部長から話があった。
たっくんと山本さんは前で挨拶と意気込みを語る。
周りは二人へ拍手を送るが、私も同じ動作をしつつも心の中は無だった。
今回のプロジェクトにあたり、二人でどれだけ話したのだろう。
’楽しみ’
’絶対成功させよう’
そういった前向きな言葉を掛け合ったに違いない。
同じ環境で、同じ目標を掲げる。
そんな二人の未来を容易に想像できた。
その瞬間、心がぽきっと折れる音がした。
だからなのかな。
ギリギリになって私に言ったことも、気が変わったら仕方がないと言ったことも、全て辻褄が合ってしまう。
本当は…私に離れてほしかった?



